治験事務局
実践! 治験事務局 すべきこととできること
治験を適正・円滑に進めるために

【著】
町田市民病院 治験支援室 井草 千鶴

A5判/310頁/定価 本体3,700円(税別)
発行:2012年3月31日

治験事務局をどう構築し,どのような成果をあげているか――
豊富な経験に基づく治験事務局業務の強い味方
推薦
山口大学大学院教授/山口大学医学部附属病院薬剤部長 古川 裕之 先生

 「すべきこととできること」……このタイトルはインパクトがあります。なぜなら,「すべきこと」と「できること」は必ずしもイコールでないから。現場に遠い人は「すべきこと=できること」と考えがちですが,さすが現場を走り回っている著者ならではのタイトルです。
 テーマは,「治験事務局の仕事」。この地味ですが重要な仕事について,著者の豊富な経験に基づいて,多くの写真と図表を用いてわかりやすくまとめた本書は,きっとあなたの強い味方になります。

治験事務局内容見本 ―――
 「IRBをいくらうまく運営しても,それだけでは治験の質を保つことはできない」「治験事務局で取り扱う書類を実際に治験を実施している医師が活用できるようにするには,形式的にGCPで規定している手順を踏むだけではダメである」
 後者についてさらに言えば,安全性情報やプロトコールの根幹に関わる変更についての書類は,治験責任医師が必ず確認しなければならないという方法を医療機関が取らなければ,被験者の安全をも脅かすことになりかねません。「効率化」という大義名分の下に,書類だけが治験依頼者,病院長,IRB,治験事務局を行き交うだけで,その書類が持つ意味や重みが軽視され,その内容を最も把握すべき治験責任医師を素通りするようでは,治験を適正に実施するどころか,被験者の安全の確保さえも危うくしかねません。
 それぞれの医療機関に合った治験実施体制を構築することも,治験事務局の重要な役目と考えます。本書では,この体制をどのように構築して,どのような成果を上げているかを事例と共に紹介します。

−「はじめに」より−


 
はじめに
第1章治験事務局・IRB事務局が果たす役割の歴史的背景
旧GCPの誕生と薬剤部の治験事務局が果たしてきた役割
新GCPという“巨大な治験の手続き体系”の登場
治験をめぐる環境の変化とIT化の進展
治験事務局の役割は臨床研究の支援にも拡大可能
第2章治験実施体制構築の経緯
治験の環境づくり
  1.カルテの保存
  2.被験者負担軽減費の支払い
  3.人件費・研究経費の算出法と徴収法
  4.治験協力部門への研究経費配分
第3章IRB(治験審査委員会)事務局業務
はじめに
治験の申し込み受け付けから終了まで
  1.新規治験申し込み受け付け
  2.IRB開催通知・治験責任医師への出席要請
  3.IRBへの報告・説明文書作成補助
  4.IRB議事録の作成
  5.IRB議事要旨の公表
  6.病院長への審査結果報告,治験責任医師・治験依頼者への指示・決定の通知
  7.契約手続き・治験経費(初期費用)請求
  8.電子カルテ利用者登録,電子カルテへの治験情報登録
  9.治験に関する変更申請・安全性情報等に関する報告・治験の現況?報告等の受け付け・処理
  10.終了・中止・中断報告の受け付け・処理,治験経費精算
記録の保存
治験関連書式・手順書の作成
第4章治験責任医師への支援業務の実際
はじめに
「治験A」における治験事務局のサポート
  1.施設調査受け入れ(2009年5月7日)
  2.治験責任医師の履歴書作成をサポート(2009年5月8日)
  3.ヒアリング(2009年6月11日),治験責任医師の治験チーム編成をサポート
  4.説明文書作成をサポート
  5.治験責任医師のその他資料作成をサポート
  6.治験スタートに向けての日程調整
おわりに
第5章事前ヒアリング
はじめに
追加情報の入手・内容の把握
プロトコール,治験スケジュールの確認
  1.明記されていない,もしくは記載が曖昧
  2.設定根拠
  3.原資料の取り扱い
  4.有害事象の取り上げ方
  5.ルーチン業務から外れる行為を把握し,業務手順を決定
ヒアリングを生かした治験の実施
  1.治験F
  2.治験A
おわりに
第6章直接閲覧を伴うモニタリングへの対応
はじめに
モニタリングの時期・頻度を治験責任医師候補者へ報告
モニタリングの時期・頻度を当該治験関係者に伝達
モニターから院内関係者への連絡窓口の一本化
「モニター・監査担当者報告書」の受理
モニタリング受け入れ日時の決定
「モニタリング・監査実施申入れ書」の受理
閲覧対象資料の準備
「モニタリング・監査終了報告書」の受理
直接閲覧対応状況
おわりに
第7章電子カルテおよびその治験管理システムを利用した治験の実施
はじめに
治験管理システム導入にあたって
治験管理システムへのプロトコールの内容・被験者情報の入力
治験管理システムへの治験依頼者からの副作用情報の入力
治験管理システムを利用した研究経費・人件費の算
おわりに
第8章治験管理システムについて
(第8章執筆:株式会社富士通アドバンストエンジニアリング/高橋 伯昌)
はじめに
治験管理システムとは
  (1)プロトコール違反やGCP違反の防止による治験品質の向上
  (2)電子カルテシステムとの連携による業務負荷の軽減
主な機能
  1.治験管理:治験情報を管理する治験管理機能
  2.審査管理:審査情報を管理する審査管理機能
  3.被験者管理:被験者情報を管理する被験者管理機能
  4.文書管理
町田市民病院の機能の紹介
  1.安全性情報の閲覧機能
  2.請求書の作成機能
対象業務と対応機能
  1.治験事務局の業務:各種書類作成,管理など事務局の業務を支援
  2.CRCの業務:治験計画(準備から実施),被験者管理などCRCの業務を支援
  3.医師の業務:診療情報システム(電子カルテ)とのシームレスな連携により,医師の治験業務を支援
  4.経理の業務:経理部門の費用算定業務を支援
導入事例と機能紹介
  1.医師の治験業務を支援
  2.CRCの治験業務を支援
  3.治験事務局の治験業務を支援
  4.経理部門の治験業務を支援
今後の展開
資料 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用について
(平成23年10月24日 薬食審査発1024 第1号)

申し込みボタン

 
株式会社メディカル・パブリケーションズ
〒102-0071 東京都千代田区富士見1-11-23 フジミビル304
TEL:03-3293-7266  FAX:03-3293-7263
URL:http://www.medipus.co.jp